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禁煙外来

チャンピックス出荷停止のため、現在当院では禁煙外来は休止しています。

1. 喫煙について

厚生労働省より公表されている「令和5年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、喫煙者の割合は15.7%(男性25.6%、女性6.9%)で、この10年間で男女とも減少しています。年齢別では40~50歳代男性で割合が高く、3割を超えています。そのうち、喫煙をやめたいと思う人の割合は20.7%(男性19.7%、女性23.9%)でした。

2. 禁煙のメリット、喫煙が健康に及ぼす影響とは?

喫煙は、様々な疾患の原因となることが知られています。喫煙によって、心臓病、がん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの発症リスクが高くなります。それ以外にも、腎障害、感染症、糖尿病、骨粗しょう症、皮膚のしわ、消化性潰瘍、勃起障害、妊娠合併症などのリスクが喫煙によって高くなります。たとえ1日1本の喫煙でも、健康リスクは高まるため、しっかりと禁煙することが大切です。禁煙はタイミングが早いほど良いとされており、例えば50歳までに禁煙した人は、その後15年間に死亡するリスクが、喫煙を続けた場合と比較して半分に減少します。一方で、禁煙に遅すぎるということはなく、65歳以降に禁煙した人も、喫煙を続けるより健康状態を良くすることができます。

3. 禁煙したい場合、まずどうしたらいい?

まずは、禁煙の準備ができていなくても、かかりつけ医に相談してみましょう。サポートを受けずに自分だけで禁煙することも可能ですが、その場合、成功率はかなり低くなります。自力での禁煙に失敗しても、医療のサポートを受けることで、状況が良くなったり、禁煙の成功率が高まったりすることがあります。

禁煙する心の準備ができたら、計画を立てましょう。

①禁煙開始日を決める。

完全に禁煙をやめる日です。理想的には2週間以内の日付にすると良いですが、人によっては、自分にとって特別な日(誕生日、記念日など)を選ぶこともあります。禁煙は、始めたら最初から完全にやめることを勧めますが、禁煙日までに徐々に喫煙本数を減らしていく人もいます。

「行動を変えること」と、「禁煙補助薬を服用すること」が、禁煙を成功させるためのキーポイントになります。この2つを組み合わせることで、禁煙の成功率を高めることができます。

②家族や友人、同僚に禁煙する旨を伝える。

周囲のサポートを受けることは、禁煙を成功させ、たばこを吸わない生活を続ける上で非常に役立ちます。サポートは家族や友人、同僚、かかりつけ医から受けることができます。禁煙中に直面する体重増加や精神的ストレス、長引く離脱症状など様々な問題について相談できる相手がいることが重要です。

③たばこへの欲求など、直面するであろう困難に備える。

禁煙をすると、ニコチン離脱症状として、たばこへの強い欲求の他、不安、不眠、イライラ、集中力の低下、落ち着かなさ、抑うつなどの症状が現れることがあります。禁煙補助薬を服用することで、これらの症状を軽減させることができます。離脱症状は最初の3日間がピークで、その後3~4週間かけて軽減していきます。離脱症状の程度は個人差があり、喫煙量が多い人ほど症状が強く現れます。

禁煙からしばらく経ってからも、たまに強く喫煙したくなることがあります。これは禁煙初期の離脱症状よりも長期間、周期的に起こることがあり、再喫煙の大きな原因となります。周囲の喫煙やストレス、飲酒などがきっかけになることがあります。このような欲求は、数分間他のことに気をそらすことで消えることを覚えておくことが重要です。

④たばこを捨てる。

喫煙のきっかけとなるものに対処する準備をしましょう。具体的には、家庭内や職場に喫煙者がいる、ストレスの多い環境、飲酒などが喫煙のきっかけとなります。禁煙の準備をする際には、再び喫煙するリスクを高める状況や行動を特定することが重要です。これらの状況を特定できれば、それに対する対処法を考えることができます。具体的には以下のような対処法が効果的な可能性があります。

生活習慣の改善

ストレスを軽減し、生活の質を向上させるために、生活スタイルを変えてみましょう。例えば、運動習慣を取り入れてみたり、自分に合ったリラックス法を見つけたりしてみましょう。運動は禁煙の継続と再発防止に役立つほか、体重増加を抑えるのにも役立ちます。

周囲の協力を得る

喫煙者と一緒にいたり、喫煙ができる場所にいる時間を最小限にしましょう。喫煙者と同居している場合は、自宅内や車内では禁煙してもらうよう頼んでみましょう。

代わりになるものを持つ

たばこへの欲求が再発の原因となることを認識しましょう。喫煙につながる状況を避け、ストレスを最小限に抑え、アルコールを控えることで、ある程度は欲求を抑えることができます。それでもたばこが吸いたくなったときのために、代用となるもの(ガムなど)を常に携帯するようにしましょう。

1本でも吸わない

「1本だけなら吸っても大丈夫」と考えるのはやめましょう。その1本が、喫煙の再発につながります。

4. 禁煙補助薬にはどのようなものがあるか?

禁煙治療には2つの柱があります。「行動を変えること」と「禁煙補助薬」です。ここでは禁煙補助薬について説明します。

禁煙補助薬は入手経路の違いから2種類に分けられます。医師の処方箋が必要な「医療用医薬品」と、薬局などで購入できる「一般用医薬品(OTC医薬品)」です。医療用医薬品には、ニコチンパッチ(商品名:ニコチネルTTS®)やバレニクリン(商品名:チャンピックス®)があり、禁煙外来で処方することができます。一般医薬品には、ニコチンパッチ(商品名:ニコチネルパッチ®、ニコレットパッチ®、シガノンCQ®)、ニコチンガム(商品名:ニコレット®、ニコチネル®)があります。

禁煙補助薬のうち医療用医薬品は、病院に行けば誰でも処方してもらえるわけではなく、定期的に禁煙外来に通院できる方が対象となります。特に保険による禁煙治療をする場合は一定の条件(※)を満たす必要があります。そのため、単に「禁煙したいから薬が欲しい」というだけで禁煙補助薬が処方されるわけではありません。

※保険適用の条件:

  1. 直ちに禁煙しようと考えている
  2. ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)が5点以上
  3. 35歳以上の場合、ブリンクマン指数が200以上
  4. 禁煙治療を受けることを文書により同意している
  5. 過去1年以内に保険診療で喫煙治療を受けていない

5. 保険治療の流れと費用は?

禁煙外来では、禁煙補助薬の服用と並行して、12週間で計5回の外来受診が必要になります。残念ながら途中で挫折してしまっても、再度保険適用を受けるには初回から1年以上空けなければなりません。なんとか1回で禁煙を成功させたいですが、実際には失敗することも少なくありません。1回で成功しなくても、あきらめずに次の禁煙にチャレンジすることが大切です。

禁煙外来の流れは表のようになります。治療期間は合計12週です。(呼吸器の薬の考え方、使い方 ver.2より引用、一部改変)

受診

ニコチネルTTS

チャンピックス錠

1回目

(初診)

問診・診察

たばこ依存症スクリーニング

呼気中一酸化炭素濃度測定

処方:ニコチネルTTS 30mg 14日分

問診・診察

たばこ依存症スクリーニング

呼気中一酸化炭素濃度測定

処方:チャンピックス錠14日分

※1~3日目:0.5mg1日1回食後

4~7日目:0.5mg1日2回朝夕食後

→喫煙を止めずに服用

8日目~:1.0mg1日2回朝夕食後

→禁煙開始

2回目

(2週間後)

問診・診察

呼気中一酸化炭素濃度測定

処方:ニコチネルTTS 30mg 14日分

問診・診察

呼気中一酸化炭素濃度測定

処方:チャンピックス錠1.0mg 14日分

3回目

(2週間後)

問診・診察

呼気中一酸化炭素濃度測定

処方:ニコチネルTTS 20mg 14日分,

10mg 14日分

問診・診察

呼気中一酸化炭素濃度測定

処方:チャンピックス錠1.0mg 28日分

4回目

(4週間後)

問診・診察

呼気中一酸化炭素濃度測定

処方なし

問診・診察

呼気中一酸化炭素濃度測定

処方:チャンピックス錠1.0mg 28日分

5回目

(4週間後)

問診・診察、治療終了

問診・診察、治療終了

また、おおよその費用は以下のようになります。(呼吸器の薬の考え方、使い方 ver.2より引用、一部改変 )

 

ニコチネルTTS

自己負担額

(3割負担時)

チャンピックス錠

自己負担額

(3割負担時)

一般医薬品のニコチンパッチ、ニコチンガム

費用

診療所

約6,000円

約6,000円

 

薬局

約7,000円

約14,000円

 

合計

約13,000円

約20,000円

22,000円~29,000円

6. アプリによる禁煙治療(※現在は受付を停止しています)

禁煙を成功させるために、行動療法によるサポートを受けた方が、禁煙の成功率が高まります。行動療法によるサポートは、受診時の相談以外にも、最近ではスマートフォンアプリなど、様々な形式で提供されています。現在はチャンピックス®の供給制限のため、治療用アプリの提供も中止していますが、再開後は当院でもアプリを用いたサポートを行う予定です(時期未定)。治療アプリによる禁煙治療の場合、自己負担額3割で合計費用はおよそ28,000円となります。行動療法と薬物療法を併用することで、禁煙成功率を高めることができます。

治療アプリ(CureApp SM)について詳しくはこちら 

7. よくある質問

何度やっても禁煙がうまくいかないのですが、どうしたらいいですか?

禁煙は1回では成功しないことも多いです。禁煙治療による禁煙維持率は、期間が長くなるほど低くなりますが、おおよそ30%前後に収束するとされています。ですので、禁煙に失敗しても諦めることなく再び禁煙治療を行うことが重要です。ただし、保険診療による禁煙は前回治療から1年以内にはできないため、注意が必要です。 

禁煙の成功率を上げるために、できることはありますか?

禁煙を一人で行うことは非常に困難です。家族や会社の同僚、医療機関など多くのサポートが必要となります。周囲に禁煙することを伝え、協力してもらうことが重要です。合わせて、治療開始後にどのようなことが起きるか、事前に知っておくことで準備をすることができます。分からないことや不安なことがあれば治療前に医療機関で相談しておくと良いでしょう。

定期的に運動する。
喫煙できる状況を避ける。
ガムや飴を持ち歩き、吸いたくなったらこれらを口に入れる。
1回では成功しないこともあるため、諦めない。

すでに長期間喫煙しているのですが、今からでも禁煙するべきでしょうか?

禁煙に遅すぎることはありません。いつから禁煙しても、そのまま喫煙を続けるよりは健康状態を良くすることができます。

禁煙すると太りますか?

禁煙後は食事量が増える傾向があるため、体重が増えることがあります。一般的に最初の2週間で約1~2㎏、その後の4~5か月でさらに2~3㎏増加すると言われています。トータルで4㎏ほど体重が増加する可能性があります。体重増加によってイライラしたり、落ち込んだりするかもしれませんが、禁煙のメリットは体重増加に伴うリスクよりもはるかに大きいため、体重増加を心配して禁煙をためらうことは勧められません。このような体重増加を最小限に抑えるために、禁煙と同時に運動習慣と健康的な食事を計画しましょう。

禁煙するとどのような症状が出ますか?

禁煙開始後、ニコチンの離脱症状が現れます。代表的な症状は喫煙への強い欲求です。それ以外にも、不安や不眠、イライラ、集中力の低下、抑うつなどの症状が現れることがあります。離脱症状は禁煙開始後最初の3日間がピークで、その後3~4週間かけて徐々に軽くなると言われています。離脱症状は喫煙量が多い人ほど強く現れます。

薬はどのように禁煙をサポートしてくれますか?

禁煙補助薬はニコチン離脱症状を軽減させる効果があります。それによって禁煙成功率を高めることができます。さらに薬と行動療法を組み合わせることが、禁煙成功のためには重要となります。

電子タバコは禁煙に役立ちますか?

禁煙補助薬と行動療法で禁煙ができない場合は、ニコチンを含まないベイプと呼ばれる電子タバコを代わりに使うことがあります。電子タバコは紙タバコよりも害が少ないかもしれません。しかし、ベイプの使用が長期的に健康にどう影響するのかは分かっていないため、将来的にはベイプもやめる計画を立てることが推奨されます。

妊娠中に喫煙した場合、どうなるでしょうか?

禁煙することが、母体だけでなく胎児の健康にとってとても重要になります。かかりつけ医に必ず相談しましょう。

8. 参考文献

  1. 倉原優.呼吸器の薬の考え方,使い方 ver.2.中外医学社.2016年.
  2. Rigotti NA. Patient education: Quitting smoking (Beyond the Basics). In: UpToDate, Aronson MD, Stoller JK (Ed), Wolters Kluwer. (Accessed on June 12, 2025.)

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